１．建設業におけるコンプライアンスについて
建設業におけるコンプライアンスとは，建設業法や下請法，独占禁止法その他の関係法令を遵守し，適正かつ公正な事業活動を行うことを指します。
２．建設業におけるコンプライアンスが求められる背景
建設業は社会的な公共性や公益性が高く，国民生活や経済発展に大きく貢献している極めて重要な事業といえますが，同時に多くのリスクや問題も抱えています。例えば，不正な入札や契約，下請法違反，労働安全衛生法違反，暴力団関係者との取引などが挙げられます。これらの違法行為は，建設業の信頼性や競争力を低下させるだけでなく，社会的な責任や義務を果たせないことにもつながります。
そこで，建設業においては，コンプライアンスを徹底することが重要です。コンプライアンスを遵守することは，法令遵守のみならず，企業倫理や社会的責任の観点からも必要なことす。また，コンプライアンスを遵守することは，企業自身の利益にもなります。例えば，違法行為による刑事罰や損害賠償，営業停止などの処分を回避できるだけでなく，顧客や取引先からの信頼や評価を高めることにも繋がります。
他方で，建設業におけるコンプライアンスは，単に法令を知っていればよいというものではありません。実際には，建設現場では様々な事情や判断が絡み合い，コンプライアンスを遵守することが困難な場面も多くあります。また，関係法令は多数にのぼり，内容も複雑であるとともに，内容も常に変化しています。そのため，建設業者は自社の事業内容や規模に応じたコンプライアンス体制を構築し，従業員や協力会社等に周知・徹底する必要があります。
３．弁護士によるコンプライアンス対策
このような場合，建設業を専門とする弁護士に相談することが有効です。弁護士は，建設業に関する法令や判例に精通しており，また必要に応じて法令調査を行うことができますので，具体的かつ実践的なアドバイスを提供することができます。また，弁護士は秘密保持義務を負っており，相談内容を第三者に漏らすことはありません。
４．弁護士に相談するメリット
弁護士に相談するメリットは，以下のようにまとめることができます。
・建設業に関する法令や判例の最新情報を得ることができる。
・自社のコンプライアンス体制やリスク管理の状況を客観的に把握することができる。
・違法行為や紛争の未然防止や早期解決のための対策を立てることができる。
・企業の規模に合わせたコンプライアンス体制を構築することができる。
以上のように，建設業におけるコンプライアンスは，建設業者にとって重要な課題です。弁護士は，その課題を解決するためのパートナーとして，建設業者をサポートします。弁護士に相談することで，建設業者は，法令遵守だけでなく，企業倫理や社会的責任の観点からも，適正かつ公正な事業活動を行うことができます。その結果，建設業の信頼性や競争力を高め，業績を伸ばすことにも繋がります。建設業者の皆様は，まずは建設業に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
実際にご相談いただく会社の中でも，コンプライアンス体制を整備したいという会社は数多くあります。
例えば，従業員の賃金制度や労務管理について，法令に従い，かつ会社の実情に合うような形に整備したいというご要望をいただくことがあります。弁護士のほうでも，そのようなご相談があれば，就業規則や賃金規程，タイムカードや日報等の資料をすべて拝見し，その内容に基づいて，現状どのようなリスクがあるかを分析します。その分析に基づいて，理想的な制度をご提案することが可能です。
また，下請業者や元請業者との関係性についてもご相談をいただくこともあります。そのような場合には，請負契約書等をチェックし，違法・不当な契約内容となっていないかなどのアドバイスを行い，仮に問題のある契約であれば，相手方当事者に是正を求めるなど，必要な交渉を行うことも可能です。
以上のように，会社ごとに様々な悩みのあるテーマですので，まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
Last Updated on 2023年10月4日 by ace-construction-law
この記事の執筆者 弁護士法人エースパートナー法律事務所 地元の人々が気軽に相談できる街の法律家であるとともに、豊富な事件処理経験を基に、全国の大企業や個人、官公庁からも依頼をお引き受けしています。 |
